何もしていないのにコンバージョンが…
リスティング広告をやっていると、突然コンバージョンが減少してしまって原因が分からず対処に困ってしまうことってありませんか?
パソコンが壊れたときに「何もしていない」という人は大体が何かしているものですが、リスティングは本当に何もしていなくてもコンバージョンが減ってしまうことがよくあります。
今回は、「先月と比べてコンバージョンが減ったしまった」ときに見るべき指標と、それをどのような手順で確認していくかを、実際のデータを基にご紹介していきます。
見るべき指標
①「クリック数」と「コンバージョン率」のどちらが悪化したかを特定する
コンバージョン数は次の計算式で表されます。
つまり、コンバージョン数が悪化したときは「クリック数」か「コンバージョン率」のどちらか、あるいはその両方が悪化しています。
コンバージョン数と聞くと難しく感じますが、要素としてはこの2つしかないので、必ずどちらかに原因があります。
②「クリック数」に原因があった場合は、「インプレッション数」と「クリック率」のどちらが悪化したかを特定する
先ほどのコンバージョン数と同じく、
となります。
このように要素を1つ1つ分解して見ていきます。
③「コンバージョン率」に原因があった場合は、「検索クエリ」と外的要因を検討する
この場合は難しいのですが、まずは「検索クエリ」に問題がないかを確認します。ときおり、突然変なクエリでの流入が大幅に増えていることがあります。
クエリが正常だった場合は、競合企業の動向や季節変動など、外的な要因を疑いましょう。
具体的な方法
見るべき指標は分かりましたね。では、実際のアカウントを基に、真の原因を探り出すために行う手順をご紹介します。
(このアカウントはECでギフトを扱っています。)
①キーワードレポートを作成する
小規模なアカウントの場合は管理画面上で直接確認することもできますが、やはり時間がかかります。
例えば、管理画面でキャンペーンの月別データを見ようとするとこのようになります。
※画像はクリックで拡大できます。一部、ぼかしを入れています。
これでは項目が比較しづらく、また、キャンペーンの次に、グループ、キーワードと分析を進めていく際に時間がかかってしまいますし(特に管理画面の再読み込みに無駄な時間がかかってしまうことも…)、キャンペーン別ではなく全体で月ごとに比較することもできません。
そのため、まずは面倒がらずにキーワードレポートを作成しましょう。
「あれ?いきなりキーワード?分析は大きいところから見て、徐々に絞り込んでいった方がいいんじゃない?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はキーワードのレポートだけでキャンペーンやグループ単位の分析も簡単にできてしまうのです。
レポート作成前に、変化を見たい時間単位でセグメントを分けるようにしましょう(先月と今月で比較したい場合は「月」の項目を表示させる)。
また、レポートを作成する際は「できるだけ多く」の項目を一緒に出してしまった方が後々楽です。最小限の項目だけを出すと、その項目だけで原因が特定できなかった際にまた管理画面からレポートの作成し直しになってしまいます。しかし、多くの項目を抽出しておけばExcelの操作だけで簡単にチェック項目を増やすことができます。
レポートを作成すると、このようになります。
②ピボットテーブルを使い、分析を行う
ここで、Excelの機能、「ピボットテーブル」を使います。Excelが苦手な方はこの時点で二の足を踏んでしまうかもしれませんが、簡単な機能なので覚えてしまいましょう!
※Excelのバージョンによって使用方法が異なります。
1. データ範囲を選択し、「挿入」→「ピボットテーブル」(図の赤矢印)を選択する
ちなみに、「データ範囲」とは、「タイトル行」(「キーワード」や「マッチタイプ」など、項目名が書いてある行)から全てです。ただし、「合計」の行は除きます。
「ピボットテーブル」を選択すると、「ピボットテーブルの作成」という小さいウィンドウが出てきますが、これは無視して「OK」を押してください。
2.ピボットテーブルに表示させる項目を選ぶ
赤矢印の部分から、表示させたい項目を選びます。分かる方は、自分で分析したい項目を選んでください。分からない方は、とりあえず「キャンペーン名」「毎月」「インプレッション数」「クリック数」「ユニークコンバージョン数」という順番でチェックを入れてください。
すると、このようになります。
このデータを見ると、上から4つ目のキャンペーンでコンバージョン数が4件→0件と減少していることが分かります。
3.さらに細かく見ていく
この状態から、次に「広告グループ名」にチェックを入れてみましょう。
上図は、グループにチェックを入れ、右下の赤矢印の箇所で「広告グループ名」と「毎月」の順番を入れ替えたものです。
すると、赤枠で囲んだ「祝い酒」関連のグループでのコンバージョン数の減少が大きいことが分かります。6月と7月を比較し、「祝い酒」のグループでのコンバージョンが減少していて、クリック数もコンバージョン率も落ちています。
ここまでくれば、原因の特定は簡単ですね。恐らく、「父の日」のプレゼント需要で6月はお酒がよく売れていた、という推測が立ちます。
そのため、次のアクションとしてはお酒関連の入札を下げて、その分別のところに予算を回す、ということになります。
今回はグループの段階で原因が特定できましたが、これでも特定できなければ次はキーワードでも同じことを行っていきます。
まとめ
リスティング担当者であれば突然のコンバージョン減少は誰もが通る道だと思います。そんなときはこの分析方法を思い出してみてください。