リスティング広告のキーワード
リスティング広告を始める際、悩んでしまうのがキーワードと広告文の選定かと思います。しかし、リスティング広告においては、この初期段階の構築こそが最重要といっても過言ではありません。ここで手を抜いてしまうと後の運用がなかなかうまくいかない一方、逆にしっかりと考え抜くことができれば運用はほとんど手間がかからなくなります。
今回はその中でもキーワードを選ぶ手順、選ぶ際に使える便利ツールについてご紹介します。
キーワード選定の手順
例えば、オンラインで英会話を学べるサービス「オンラインイングリッシュ」というサービスのリスティング広告を出稿する場合に、キーワードを選定する手順を見ていきましょう。
1. サービスに関連するキーワードを洗い出す
まずはできるだけ多くのキーワードを出してみます。その際、次の4つの群に分けることをお薦めします。
①指名キーワード
自社名やブランド名などで検索してくれるユーザーは最もコンバージョン率が高いと言えます。そのユーザーを取りこぼすことが無いように、ブランド名のキーワードを出します。特に、そのキーワードで検索した際に競合が広告出稿していたらその競合よりも上位に掲載することを目指しましょう。
キーワード例:「オンラインイングリッシュ」
②商品・サービスを直接的にあらわすキーワード
「オンラインイングリッシュ」は知らないがオンラインで英会話を学びたいと思っているユーザーも、非常にコンバージョンに近いユーザーです。サービス内容にぴったり合うキーワードはこの群に入ります。
キーワード例:「英会話 オンライン」「英会話教室 スカイプ」
③少し外れるが、ユーザーの意欲はあると思われるキーワード
オンラインかどうかは別にして、英語を学びたいと思っているユーザーもコンバージョンしてくれる可能性があります。
キーワード例:「英会話学校」「英語 上達 方法」
④サービス内容からはかなり遠いが、関連性が無いとは言えないキーワード
英語を学ぶ意欲があるかどうかすら分からないが何か習い事をしたいと思っているユーザーなどがこの群に入ります。
キーワード例:「語学教室」「習い事 休日」
2. 掛け合わせキーワードを考える
掛け合わせキーワードとは、メインとなるキーワードと一緒に検索される可能性の高いキーワードです。例えば「オンライン英会話 ○○」の「○○」の部分のことです。
この掛け合わせキーワードを選定する際にまず重要視するのは、自社のサービスの特徴です。特に競合他社と比較したときにどうか、という観点が重要です。
もし自社のサービスが他社と比べて「月額費用が安い」という特徴があれば、掛け合わせキーワードには「安い」「格安」「激安」といったキーワードや「料金」「費用」などの価格帯を気にするユーザーが検索しそうなキーワードを入れます。
逆に、「安い」という特徴が無いのであればこういったキーワードは入れるべきではありません。ユーザーがサイトにたどりついたときに期待値とのギャップが大きく、コンバージョンにつながりにくい無駄なクリックになりやすくなってしまいます。
3. キーワードをジャンルごとに分け、グループ化する
リスティング広告のアカウントは
キャンペーン→広告グループ→キーワード・広告文
という3段階の構造になっています。
つまりキーワードを全て1つの広告グループに入れてしまうと同じ広告文でしか掲載されなくなってしまいます。
ユーザーの検索キーワードが異なれば当然求めているものも違いますので、それぞれのキーワードにマッチした広告文を設定することでクリック率、コンバージョン率を高めることができます。
また、マッチした広告文にすることで広告の品質スコアを高めて上位掲載されやすくすることもできます。
4. それぞれのグループで入札価格を設定する
手順1でキーワードを4群に分けましたが、それぞれでコンバージョン率が変わってきます。目標とするCPAが一定であれば、コンバージョン率が高いグループの入札価格は高く、コンバージョン率が低いグループの入札価格は低くなります。
上記の例では、①群が高く、④群が低くなります。
キーワードを選ぶ際に使えるツール
キーワードアドバイスツール(Yahoo!)、キーワードプランナー(AdWords)
Yahoo!プロモーション広告、Google AdWordsの公式ツールです。例えば「英会話」など軸となるキーワードを入力するとそれと類似したキーワードをたくさん出してくれます。
goodkeyword
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンには「関連キーワード」というものがあります。Yahoo!では虫眼鏡のマークが付いているところです。そういったキーワードを一覧で出してくれるツールで、掛け合わせキーワードを探す際に重宝します。
自社サイト
当然ですが、自社のサイト内には使えるキーワードが大量に眠っています。リスティング広告の担当者とWeb制作の担当者は別であることも多いと思うので、隅々までよく見てみると新しい発見があるかもしれません。
競合サイト
自社サイトと同様、競合他社のサイトも非常に参考になります。競合他社がサイト内で使用している言葉やmeta-keywordsに設定しているキーワード、広告文に使用しているキーワードなどからも有効なキーワードが見つけられます。
KARABINER
キーワードを選び終わった後、掛け合わせをする際に役立つツールです。例えばメインのキーワードに「英会話」「英会話学校」「英会話スクール」「英会話教室」があり、掛け合わせキーワードに「格安」「激安」「安い」「料金」「費用」がある場合、4×4=16のキーワードができることになります。これをExcelなどで作るのは少し大変ですが、このツールを使うと一括で作ってくれます。また、AdWordsの入稿の際に使用するマッチタイプ記号をつけることもできるので非常に便利です。
まとめ
冒頭でも述べた通り、キーワードの選定はリスティング広告の作業の中でも重要度の高いタスクです。ここで手を抜かず、後で楽になると信じて初期の構築を行っていきましょう。